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2019.02.02

サンバイオの惨劇

みなさん、こんにちは
株式投資はリスクはあるものの通常は買いたい時に買うことができ売りたい時に売ることができます。これは「通常は」ですが株式はキャッシュと違うのでそうでないケースがありこれが度々あるわけではないですが自分の身に降りかかると恐怖です。
例えばある銘柄に投資をしていてお金が必要になったのでそれを売って換金したいとします。
株式市場は売りたい人と買いたい人の希望価格がマッチングしたところで取引が成立するので売りたい人が非常に多く買いたい人がいなければ値段がつきません。そして値段だけはどんどんと下がっていきます。
自分が持っている株が売りたいけど売ることができずに毎日ズルズルと値段が大きく下がっているというのは恐怖であり毎日自分の資産が大きく毀損しているのを指をくわえて眺めていることになります。
東証マザーズに上場しているサンバイオという創薬ベンチャーの会社があり去年後半からの上昇は素晴らしく去年の出世頭といってもいいと思います。社長も去年経済ニュースにゲストとして出演して再生細胞医療薬品のフェーズ2の臨床試験の段階に入ったということをおっしゃっていました。
マーケットはこの薬に期待をかけサンバイオは赤字の会社にもかかわらずそれまで3,000円台で推移していたものが12,000円まで買われました。
赤字の会社がそんな株価になるなんて・・・・
と今だったら思いますがこの新薬の開発が成功すれば様変わりすると思って投資家が買ったのでしょう。
ところが1月29日マーケットがクローズしてからフェーズ2bの結果主要評価項目を達成できなかったというプレスリリースが流れました。この直前までは株価は11,710円でしたが翌日1月30日からは売り一色になり値段がつきませんでした。これは2月1日まで続いています。
売りたくても売ることができずに11,710円で最低単位の100株買った人でも2月1日は
5,710円でも買い手がつきませんでした。その後のPTS(私設市場)をみるとここからさらに2,000円下がっていたと思います。
仮に2月3日の月曜日に3,710円で売れたとしても11,710円で買った人は80万円の損失になります。
株式投資は自己責任でこれは思惑が今のところ外れた(後で成功して暴騰するかもしれません)ことになり交通事故のようなものです。
これを自分のお金で買っている人はまだいいのですが証券会社からお金を借りて買っている人もかなりいるようです。
この場合サンバイオの株が担保になってお金を借りているのですが、担保価値が下がることになり追加担保でお金を差し入れなければなりません。このためにこのお金を作るために他の持ち株を売ってお金を作って担保に差し入れなければなりません。
これは惨劇といってもいいと思いますがこういうことってありますね。
気をつけてもどうなるものでもないですが大きな利益が取れる可能性があるところに大きなリスクがあるということを承知で突撃するしかないでしょうね。
個人的にはチャートが安定するまで手出し無用で見物している以外はないと思っています。

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