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2017.02.08

JASRACの決算書を見て その2

みなさん、こんにちは
この分析の趣旨はJASRACの運営が正しくないのでそれを暴くとか正すというものではありません。決算書を見ると懸念は思い浮かびますがだからといって運営が正しくないと断定することは現段階ではできません。

私の想像を含みますが本来であれば著作権者に帰属する著作権料を著作権者に代わって徴収して、徴収したものを信託財産として運用し、協会自体はこの徴収管理のための手数料をもらって協会を運営しているという図になりますしそれ自体は何ら奇異なものではありません。

ここで問題があるとしたら手数料が高額であること、従業員が関係者の縁故であったり仕事を出している先が関係者が経営している会社であったりしてそこに高額な給与や委託料を払っている場合になりますがこれはこの分析だけではわかりません。

前回チェックで印象に残ったのは人件費と外注費(機械処理料)がけっこう高額であり高コスト体質かも・・・ということでした。

会計は信託に関する部分と一般に関する部分にわかれます。

信託に関する部分は協会が集金した著作権料が入金になり著作権者に払った著作権料が支出になるといういう極めて単純なものでです。そこで貸借対照表をみると現預金が520億円弱ありかなりのお金持ちの協会ですがこれは協会が自由に使えるお金ではなく最終的に著作権者に支払われるお金です。有価証券が12億円ありますがこれは損失リスクが低いもので運用することが好ましく、株などで運用すると後々問題になることがあります。(これは私の推測ですが普通はこれだけキャッシュリッチの組織であれば資金運用のルールがあるはずだと思います)財産目録をみると利付き国債で運用しているのでリスクはないと考えられますが会計をキッチリやるとこの部分の時価は変動します。おそらく(専門的ですが)金融商品会計は使っていないのかもしれません。

ちょっと不思議なのは建設協力貸付金が約24億ありこれは財産目録をみると貸付先は古賀政男振興音楽財団に対して貸してあるものですが回収可能なのでしょうか・・・

一般会計は普通の会社の会計のようなもので貸借対照表をみると即目立つのは退職給与引当金(従業員に対するもの)が68億円ありこれを支払うために確保した預金が同額あります。通常は従業員用に退職規程がありこれに基づいて退職金を計算するのですが
従業員全体が500人もいない(これは嘱託含んでいます)いないので感覚的ですが高額のように思います。従業員の平均勤続年数はどのくらいなんでしょうか。

また最後まで不思議なことは信託会計でキャッシュが520億円あり利付き国債で運用しているものが12億円あります。これだけあれは(平成26年当時)いくら金利が低くてもある程度の運用益が発生すると思いますが信託会計の収支計算書には出てきません。

さらに一般会計でもキャッシュが20億円ありますがこの利息も見当たりません。一つ考えられるのは預金は銀行が倒産した場合1千万円を越える部分は保証されないのでこれを割けるために決済用の預金(要するに金利が0の当座預金のようなもの)にすると受取利息は発せしません。

この辺りはどうなんでしょうね?

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