ドイツ銀行の危機

みなさん、こんばんは
最近ドイツ銀行が危ないというニュースを多く見ます。
ドイツ銀行は世界４位の銀行ですが大きなデリバティブをやっておりこれがうまくいっていないということのようです。デリバティブは日本語に訳すと金融派生商品というものですがこれではなんだか分かりませんね。

例えば今は１ドル100円だとします。将来は円安になりこれが１ドル110円になると予想したとすると、今1ドル105円で売る権利を売ったとします。このときにオプション料というのが発生してこれを権利を売ったほうがもらえます。もしこれで将来1ドル110円になったとします。売り権利を買った方が今の相場は1ドル110円なので1ドル売れば110円もらえますがこのオプション（売り権利）を実行すると105円でしか売れないのでこの権利は行使されることはなく、売る権利を売ったところはオプション料丸儲けになります。

ところが・・・読みに反して円高になり1ドル90円になったとします。売り権利を買ったところがこの権利を行使すると本来であれば１ドル90円で買えるのですがこのオプションの権利行使により105円で1ドルを買います。買った瞬間から15円（１０５－９０）の損を抱えることになります。この売る権利を売った方はリスクが多いデリバティブ取引になりこんなの死ぬほど抱えると銀行は潰れてしまいます。

デリバティブは権利を買う場合はリスクはオプション料だけですが、権利を売る場合はオプション料をもらうことができますがリスクが限定できません。

このオプション料欲しさに危ないデリバティブをやる会社はあるようです。ドイツ銀行はこういう残高が５０兆ユーロくらいあるそうです。ギリシアがらみのアブナイ奴もあるようです。

また不祥事がけっこうあり起こされている訴訟の数も多く(数千件といわれています）訴訟費用で10億ユーロくらいあるそうです。ベンチマークの金利といわれるLIBORも操作していたようです。良い子はこういうことはしませんがかなり腹黒いといわれてもやむを得ません。

さらにアメリカ当局に巨額の罰金を科せられています（１兆4千億円）

以下がざっとしたドイツ銀行のストーリーです。

・２０１４年４月・・・・ドイツ銀行は、ティアワンキャピタルの自己資本をさらに１５億ドル追　　　　　　　　　　　　加せざるを得なくなった。
・２０１４年５月・・・・ドイツ銀行は８０億ユーロ（最高で３０％も値引きをして）もの株を売　　　　　　　　　　　　　却。
・２０１５年３月・・・・ドイツ銀行はストレス・テストで不合格。資金構成を強化するよう警告　　　　　　　　　　　　を受けた。
・２０１５年４月・・・・ドイツ銀行はＬＩＢＯＲの不正操作に関して英米と和解。米司法省に　　　　　　　　　　　　　２１億ドルの賠償金を支払った。
・２０１５年５月・・・・ドイツ銀行のＣＥＯ（Ｊａｉｎ氏）が理事会によって絶大な権限を与えられ　　　　　　　　　　　　た。これはドイツ銀行が危機に瀕していることを物語っている。
・２０１５年６月・・・・ギリシャはＩＭＦに返済できなかった。ギリシャがデフォルトすれば、ド　　　　　　　　　　　　イツ銀行は大きなダメージを受ける。
・２０１５年６月６日、７日・・・・ドイツ銀行の２人（Ｊａｉｎ氏とＦｉｔｓｃｈｅｎ氏）のＣＥＯが　　　　　　　　　　　　　　　　　突然辞任を表明。
・２０１５年６月９日・・・・Ｓ＆Ｐはドイツ銀行の格付けをＢＢＢ+（ジャンクから３段階　　　　　　　　　　　　　　上）に下げた。これはリーマン・ブラザーズが破たんする３ヶ　　　　　　　　　　　　　　　　　月前に格下げされたレベルよりも低い。

個人的には最後のドイツ銀行の格下げが印象的です。

ちなみに今までの私の認識はEUの中ではドイツが一番健全で・・・・でしたがフォルックスワーベンで？？？？でドイツ銀行でひえ～です。

まあこういう色々な話がありますが手っ取り早いのはマーケットがどのようにドイツ銀行を見ているかですね。

ドイツ銀行の株価は過去の最安値を更新中です。

https://www.bloomberg.co.jp/quote/DBK:GR

ここで株価は見ることができますが期間を一年にしてみると凋落ですね。

またドイツ銀行の債券を保証するための保証料の相場があります。保証料は安全か会社の場合は安いしアブナイ会社の保証料は高額になります。CDSスプレッドといいます

このCDSスプレッドが急上昇しています。

ドイツ銀行が破綻するかどうかはわかりませんがマーケットはかなりヤバイと判断しているようです。

ちなみにドイツ銀行が破綻すると我が国もただではすまないと思います。